昨夜のシニアバカップル。
いつも通り22時くらいから会話が始まり、ちょうど真夜中あたりに、聞いたことのないような音が聞こえ出した。
クイックルワイパーに小石をつけて床を掃除しているような音。笑い女がご機嫌に話しながらそれをしている。もう限界だった。迷いはなかった。
ピンポーンと押すと見知らぬ男。先日荷物を運んでいたシニアの男とは別人。しかも若い。黒縁のメガネをかけた40代くらいの男だった。意味不明だったけど会話はできた。
「上に住んでいるものですが、もう少し静かにしていただけませんか?」
「あ、すいません・・・」
「お願いします」
やけに素直だった。ドアを開けるまでむっちゃ早かったし。
部屋に戻って様子をうかがっていると、シーンとしている。小石クイックルの音もしなければ話し声もしない。男が笑い女に説明したのだろう。よかった、話がわかる人たちだったんだな、と思ったが、そのうち笑い女の声が。
どうやら怒っている感じ。やっぱりまともじゃない。自分が夜中にヒャッハーすることをやめたくないのだ。でもそれも数分で終わり、そのあとはずっと静かで、やっと眠ることができた。今朝も静かだった。
この静寂も続くまいと思い、5枚組の手紙をポストに入れた。つらつらと、今までどうだったかを書いた手紙だ。あたしが眠れなくなった経緯や、こんなふうに聞こえているとか、引っ越すことなどを、喧嘩腰ではなく気を使いながら書いた。
私が引っ越すまでの間だけでも夜中は静かにしていただけませんか、と書いておいたが、どうだろうな。
5枚も手紙にするなんてヤベー奴だと思われたら最高。叫び声は今まで4回聞こえましたとか、4回目はDVをされているのかもしれないと思い110番しようと思いました、とか書いておいた。
こいつには全部握られてる、と思ってくれた方がいいのだ。もしこいつらがクスリやってたら、110番という言葉にはビクッとなるだろう。
どっちにしても、もう引っ越すしかない。それ以外に道はない。少しの間静かになったとしても笑い女はイライラしだすだろう。まともではないし、何かが起こってからでは遅い。
ちょ待てよ。黒縁メガネ男は誰なんだ?
初代の男、くしゃみがウルトラマンみたいな男は多分もういない。その後ウー男があらわれた。おそらく荷物を運び入れてたのがウー男。
なのに昨日出てきたの黒縁男。いったいなんなんだこいつら。黒縁男は誰なんだ?でもいつも聞こえてた声は黒縁男の声だ。だとしたら、荷物を運んできた男はただ荷物を運んできただけの男で、ウー男は黒縁男なのか?!ややこしい。
でもそれだとしっくりくる。笑い女は若い男と知り合い男と暮らすための部屋を借りた。笑い女のテンションが上がっているのは自分よりだいぶ若い男が相手だからなのだ。
今日も、今のところ静かだ。それも気持ちが悪いんだよな。日中ずっと寝てるのか、起きているけど全く会話をしないのか。夜はあんなにヒャッハーなのに?
ていうか、じゃ、シニアバカップルじゃないじゃん。シニ若バカップルじゃん。やれやれ。
18時くらいに、いつも荷物を運んでくる銀色の軽自動車がきた。また荷物を運んできたのか?前に外で見た時は確か練馬ナンバーだった。地元はそっちで、全然関係のない土地のアパートをセカンドハウスにして夜中にヒャッハーして苦情を受けるとは情けない。
お、下の誰かが部屋のシャッターを下ろして部屋を出ていった。今19時24分。もう誰もいない様子。話し声もしないし。
でも油断は禁物だ。22時頃に戻ってきてヒャッハーが常なのだから。もし戻って来ずに静かな夜になれば、やっと普通に眠れる。
と思ってたら何やら物音がする。笑い女は残っているのかもしれない。でも1人ならうるさくないのだから、それでいいのだ。