職人

朝、自転車の前のタイヤの空気が抜けていた。

自転車屋さんがあいていない時間だったから

交番に行くと、おまわりさんが

プシュプシュやってくれたのだけど

 

古い年代物の手動の空気入れで

持ち手の部分がポロッと落ちたりで

結局空気は入らなかった。

 

夕方、通りかかった別の交番に行くと

空気は入っても、空気入れを外すと

プシューッと空気が抜けてしまった。

 

おまわりさんと顔を見合わせて

「パンクだね」

 

でしょうね・・・。

 

お気にいりの自転車やさんに行くと

パンクではなく車輪のネジが消耗していた。

 

自転車全体とブレーキもチェック。

「右のブレーキきかないでしょ?

危ないから調整しとくね」

 

すごい、なんでわかるんだろ。

さすがプロだわ。

 

前と後ろの部品を交換して計200円。

凄いなあ優しいなあ・・・。

 

これ以上ないくらい心をこめてお礼を言うと

 

「また何かあったら寄ってね。

いつでも直すから。宜しくお願いします。」

 

シビレタ、おじさん、あたしゃヤラレタ。

そりゃお客さん多いよね。

 

幸せな気分で帰ろうとすると

見知らぬおばちゃんがツツーとやってきて

オジサンに「これ、おばあちゃんにね」と

ビニール袋に入ったパンを1個渡した。

 

おじさん「あら、これ並んだんじゃないの?」

 

おばさん「今日は並んでなかったわよ」

 

あたし「そこのお店、美味しいんですよねー」

 

おばさん&あたし「ねーーーーーーっ」

 

おじさん「ありがとう」

 

THE 下町。

 

1個のパンをあげる、て素敵だわ。

1個じゃ恥ずかしい、とかじゃなくてさ。

本当におばあちゃんに食べてほしかったのね。

 

そこのおばあちゃんは見たことはないけど

おじいちゃんならみたことがある。

 

すんごい腰が曲がっているけど

座りながら、びしっと仕事をしていた。

 

そういうのを見ていると泣きたくなる。

そのおじいちゃんには長生きしてほしいわ。

 

やっぱりね、戦争をくぐりぬけた

おじいさんおばあさんたちは、すごいの。

大事にしないとね。

 

 

自転車を買う時は絶対あのお店で買う!

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